近代マーケティングの父 フィリップ・コトラー教授の知られざる魅力

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第五回(最終回):コトラー教授のミッション~世界をより良い場所へ

コトラー教授が追求するミッション、それは“世界をより良い場所へ”変化させていくこと。その思想はケロッグを通じて、卒業生達へ受け継がれている。わたしたちは、どんなに違った事業・業界にいても、社会をより良い場所へするために、皆が同じベクトルへ向かっている。これこそまさにケロッグのDNAだ。

取材・執筆 ケイティ堀内
 (Class of 1996, H&Kグローバル・コネクションズ

 

マーケティング3.0

80歳を超えたコトラー教授だが、マーケティング研究への情熱は、衰えるどころか、ますます高まっている印象を受ける。近年、「マーケティング3.0」という本を出版し、そのコンセプトについて発表した。

コトラーは、これからの3つの重要な力として、“参加の時代”、“グローバル化のパラドックス”、“クリエイティブ社会の時代”を挙げた。そして、マーケティング3.0とは、「協働マーケティング」「文化マーケティング」「スピリチュアル・マーケティング」の融合であると説明している。

滞在中、貴重な機会を得て、コトラー教授に、どのくらい、マーケティング3.0を実現している企業が存在しているかと質問した。すると、「あえて挙げれば、グーグルやフェイスブックだろう。しかし、ほとんどの企業はまだマーケティング3.0を実践できていない」と語った。

しかし、今後、もしマーケティング3.0を実践する企業が増えてきたらどうなるだろうか。より大きなミッションやビジョンを持ち、社会問題に対するソリューションを提供し、世界に貢献する企業が増えることになるのではないだろうか。そうであれば、より素晴らしい未来を描くことができるはずだ。

コトラー教授は、今後のメディアの在り方について、「10~15年後には、広告予算の50%がソーシャル・メディアに行く」という未来を読んでいる。

つまり、企業が大きな予算をかけて実施してきたテレビや紙面での広告から、共感されなければ広がらないソーシャル・メディアへとシフトしていくというのだ。コトラー教授が唱えるマーケティング3.0の世界では、人々の精神的な充足感や連帯感が最重要となる。ソーシャル・メディアは企業広告を凌駕する存在となるだろう。

 

世界をより良い場所へ

report-5_02前述のように、コトラー教授はマーケティングを社会問題にも適用し、貧困救済計画などのソリューションについて執筆している。今後は平和の達成に向けて、如何にマーケティングが寄与できるかを考えている。 

多くの卒業生達が、ケロッグの教育を通じて、日本、そして、世界への貢献を願っている。だからこそ、エグゼクティブや企業リーダーとして活躍している卒業生達が、多忙なスケジュールを調整し、多くのKJCミーティングやイベントに参加、交流し、情報を発信している。また、卒業生は、この「ケロッグ・ビジネス・スタイル・ジャパン(http://kelloggbiz.jp)」のサイトを立ち上げ、持っている経験や知識を社会に役立てようと、コラムやインタビューを通じて定期的に発信している。

さらにいえば、転職しようが、従事する事業や住む国を変えようが、ケロッグ卒業生としてのDNAは消えることがない。コラボレーション型リーダーシップで世界をより良い場所へ変えていく「ケロッグ」スピリッツは、人を結びつけ、チームで成功へと導く。

卒業生は、ケロッグで、分野、性別、人種、年齢など、あらゆる壁を越え、多様性を重視し、それぞれの強みを活かしたチーム力で、勝利を得ることを学んでいる。これからもこの“ケロッグDNA”を活かして、日本経済を変え、世界をよりよい場所に導くことに挑み続けていくだろう。

コトラー教授の取材によって、多くのケロッグ卒業生を含めた日本のプロフェッショナルが、あらためて彼の考える世界を学び、自分たちの進むべき道を確認できたはずだ。この素晴らしい機会に恵まれたことに心から感謝したい。

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最後に、コトラー教授の密着取材は、招聘団体のコーディネーターであるJMA(日本マーケティング協会・後藤卓也会長・嶋口充輝理事長)の協力なしには実現しなかった。コトラー教授の来日と、スケジュール全般を取り仕切った石橋氏と、完璧なオペレーションで全てを予定どおりに運んでくださった服部氏に、この場を借りてお礼の言葉を伝えたい。

 

 

ケロッグ卒業生が語るコトラー教授への思い

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 田頭 克彦 (2005年卒)

私はケロッグ香港でExecutive MBAを取得したのですが、ケロッグの米国キャンパスでの教育に中国のテイストをミックスしたような、ユニークなスタイルの教育方法が印象的でした。コトラー教授に直接指導を受ける機会はありませんでしたが、彼のスピリッツはケロッグの文化に溶け込んでいて、十分学ぶことが出来たと思います。

コトラー教授にお会いして、80歳を越えているというのに本当に元気でおられて、すごいパッションを感じました。あのパッションがあってこそ、彼の言葉は人の体の奥まで入ってくるのですね。

私はディズニーという会社の中でCRM(Customer Relationship Management)を担当していますが、特に今後やっていかなければならないのは、コトラー教授の言われた「よりよいサービスや商品を提供し続けて、どんどん強いファンになってもらうことが重要」という教えそのものだと感じました。

ベイン・アンド・カンパニー 小松 倫子 (2012年卒)

私がコトラー教授を初めて知ったのは大学のゼミでした。「コトラーマーケティング入門」という教科書を読んで、色々な企業のケースを読みながら皆でディスカッションする中で、理論としてのマーケティングが現実社会と結びつき、とても面白いと感じました。これが大きなきっかけとなり、私はビジネススクールに進み、今のコンサルとしてのキャリアに繋がっています。

コンサルタントって、もちろんマーケティングだけではなく、いろいろなプラクティスがあるのですが、どのプラクティスにも、消費者の観点とか、顧客満足度だとか、マーケティング的観点がいつも頭にあるんです。そういう意味では、今の私やコンサルタントとしてのキャリアの原点は、コトラー教授の教科書との出会いだったと感じています。

そして、憧れのコトラー教授のいるケロッグで学べたことは、本当に嬉しい、かけがえのない経験でした。

グーグル株式会社 藤井宏一郎 (2005年卒)

私がケロッグに留学を決めたのは、コトラー教授のソーシャル・マーケティングを学びたかったからです。当時私は、科学技術庁の原子力行政担当として働いていて、地元の人や一般市民とのコミュニケーションや理解について悩んでいました。

政府は親近感を持ってもらうため、マスコットキャラクターを作ったり、タレントを使ってキャンペーンをしたりCMやポスターを作ったりしていました。しかし、なかなか市民との対話がうまく進まなかったのです。

何かもっと体系的な、最新のマーケティング理論で対応できないのか考えたとき、マーケティングを政府機関や政策コミュニケーション、非営利マーケティングに使うというコトラー教授の「ソーシャル・マーケティング」に出会い、まるで天から光がさす思いでむさぼるように読み、ケロッグに留学を決めました。

そして日本に戻ってから政府でしばらく働き、その後、国際PR会社に移り、パブリック・アフェアーズやガバメント・リレーションズなど、さまざまな環境の中で企業や政府機関と関係構築する専門家としてコンサルティングを担当しました。

そして現在、グーグル・ジャパンの公共政策部を率いています。政治、行政、NPO、NGO、学会、業界団体のみなさんとの関係構築・渉外すべてに関わりながら、グーグルが社会に貢献できることは何かを模索していきます。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社 村田 崇治 (2011年卒)

report-5_08私が10数年前、慶応大学のゼミで学んだ教科書がコトラー教授の「ソーシャル・マーケティング」でした。それに強く興味を惹かれ、ケロッグに留学、以後、コンサルティング会社でマーケティング&セールスの専門家として勤務しています。

在学中、コトラー教授に直接教鞭をとっていただいたことはないのですが、コトラー教授を中心に、ケント・グレイソン、ティム・カルキンスなど素晴らしい教授陣がいて、本物のエキスパートが集まっているのがケロッグです。ケロッグはこれからも、いろいろな分野でもっと伸びていくと思います。

 

 

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