近代マーケティングの父 フィリップ・コトラー教授の知られざる魅力

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第三回:コトラー教授、そしてケロッグの強みとは

自然に人が集まり、誰もが師と崇め、その言葉を励みに自らの志に向って進んでいく。超一流といわれるコトラー教授の“人”を惹きつける魅力を解き明かす。さらに コトラーカンファレンスに登壇したローソン新浪社長、そしてコトラー教授が語る、ケロッグの魅力とは。

取材・執筆 ケイティ堀内
 (Class of 1996, H&Kグローバル・コネクションズ

 

超一流といわれるコトラー教授の魅力

来日前、コトラー教授と親交の深い、シカゴ在住のある卒業生が、コトラーの人となりについて話してくれた。

「コトラー教授は、一流を通り越して“超一流”の人物。一流と超一流の違いは何かというと、一流はそうとみなされる能力、つまり才能がある人。そして、超一流というのは、それに加えて、人徳が備わった人を指す」。

実際に対面したコトラー教授は、まさにその通りの人物だった。

コトラー教授は、滞在中ずっと、信じられないほどフレンドリーで、謙虚だった。フライトの長旅で疲れているはずなのに、車中でも全く疲れた顔を見せず、私達の話にも丁寧に耳を傾けてくれた。さらに、それだけでなく、常にメモを取り、学ぶ姿勢を見せてくれた。

この態度は、過密スケジュールでどんなに疲れている時でも、終始変わらなかった。そこには、有名人が良く陥る「高慢だったり、威圧的な権力者」の影はまったくない。

また、撮影中、ときどき、サービス精神を発揮して、お茶目なポーズをしてくれたり、カメラ目線を送ったりしてくれた。さらに、イベント会場では、自らのスマートフォンで会場の様子を撮影し、まるで逆取材を楽しむように笑顔を見せた。

コトラー教授は、常に自ら顧客の視点に立って世の中を見つめ、体験する。そしてどんな立場の人とも親しく交流し、相手について学ぶ。それは80を超え、あらゆる地位と名声を得た今もまったく変わらない。富や賞賛の声は、彼の本当に欲しいものではないからだ。

 

ローソンの新浪社長、そしてコトラー教授が語った、ケロッグの強み

コトラーカンファレンス2013に登壇した、ローソンの新浪社長は、ハーバードビジネススクールの卒業生である。その新浪社長が、イベント開始前に、ケロッグについて貴重なコメントをして下さった。

「ケロッグはハーバードと違って、グループで学び結果を出すという、大変優れたMBAプログラムだと思います。

一人の天才よりも、多様性を活かし、いろんなアイデアを掛け合わせるスキルは、これからもっと重要になると思います」

爽やかな笑顔の新浪社長だったが、まっすぐに見据えるその目には、大局をしっかり捕える重要性を感じた。

ケロッグの教育の核である「コラボレーション型リーダーシップ」が、現代の閉塞感漂う日本経済において、いや社会全体において重要なソリューションとなってきていることは否めない。ケロッグは早くから一歩先を読んで取り組み、教育を行ってきた。

そして、コトラー教授にも、ケロッグの独特な教育や卒業生について語ってもらった。

「ケロッグは、チームワークを非常に重視しているビジネススクールであり、その点では世界でナンバー1である。チームワークによるコラボレーションは1+1=2 ではなく、2+2=5、というシナジー効果を生み出す。

仕事の現場では、一人で完結するものはない。コラボレーションが仕事の基本であり、成功の鍵である。」

先生からケロッグのコメントを聞いたのは初めてだった。先生が教えるマーケティングは、チームワークなくしては成り立たない。改めて、ケロッグの教育方針の戦略性に納得した。

 

ケロッグ卒業生が語るコトラー教授への思い

立命館大学大学院 経営管理研究科 教授 鳥山正博 (1988年卒)

コトラー教授はもともと、ミルトン・フリードマン、ポール・サミュエルソン、ロバート・ソローという3人のノーベル賞学者から直に経済学を学んでいます。彼はそこまでしっかりと正当派経済学を学びながら、消費経済学という経済学の一部門ではなく、マーケティングという別学問に自らを位置づけたのでした。見事なポジショニング戦略です。

おそらくサミュエルソンに倣ったのだと思いますが、「マーケティング・マネジメント」という、後に14も版を重ねることになる教科書を執筆し、定番の教科書として各ビジネススクールで使われるようになります。“マーケティングと言えばコトラー”というマーケティング界の圧倒的ナンバーワンブランドを確立したのです。

それからのコトラー教授は、版を重ねる度に、話題になっているものを新しい章として加えてゆきます。また、様々なマーケティングの周辺分野の若い学者と組んでは「ソーシャル・マーケティング」「観光のマーケティング」等々あらゆる分野のマーケティングの本を出してゆきます。これらは「同質化戦略」「周辺需要の拡大」というリーダー戦略そのもといえます。

私自信も「非営利組織のマーケティング」というコトラーの授業をとりました。コトラー教授は、次々とそういうマイナーな分野を教えては自家薬籠中のものとして、「版図拡大」を図って来たのだと思います。

一般に学者というものは、自分の専門の範囲を出たがらない人が多いものですが、彼は全く逆です。軽やかに次から次へと新しいものを学び、軽やかに自分の中に取り込んでいく。今回も82歳とは思えぬ軽やかな足どりで「駅ナカ」を見学されていました。この軽やかさこそがコトラーの真骨頂なのだと思います。他ならぬマーケティング分野の泰斗はこうでなくっちゃ、です。

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