第1回
香港のケロッグEMBAで、グローバルに学ぶ
野田 征吾アストラゼネカ株式会社 コマーシャルエクセレンス本部 ニューチャネル部長
4年連続 世界ナンバーワンのExecutive MBA プログラム
Executive MBAは日本ではあまり馴染みがありません。しかし、ここ数年のアジアでは、欧米のトップスクールが地元の大学とタイアップしながら、プログラムを開講したりしています。KHは16年前にスタートしたアジアで最も成功しているEMBAのひとつです。
私がこのKHを選んだ理由は、次の3つになります。
1. キャリアをストップさせることなく、MBAを取得することができる
2. アジアをベースにグローバルネットワークを構築することができる
3. 世界最高峰のMBA教育を受けることができる
*KHは、4年連続Financial Times EMBA ランキングでナンバーワン。また、HKUST (Hong Kong University of Science and Technology)はアジアでナンバーワンとして高く評価されているMBAスクールです。
KHは、毎年1月に開講し、翌年6月に卒業するという18ヶ月のプログラムです。HKUSTのキャンパス内にKH専用のスペースがあり、約50名1クラスで構成されています。学生の平均年齢は38歳で、ここでは、国・産業・専門分野が異なるビジネス経験豊富なメンバーとの出会いがあります。
約3分の1の生徒は、Fly-in studentとして、授業があるときだけ、飛行機で香港に通学します。ということで、授業料だけでなく渡航費などの費用が必要にもかかわらず、25%の学生は、私費 (self-funding)なのです。
1週間の滞在となる1月のLive-in weekから始まり、2月以降は、金曜15時から日曜16時までの授業が月に2度開講されます。8月にはエバンストンで2週間のLive-in weeksに参加し、アメリカ、カナダ、ドイツ、イスラエルのKelloggのExecutive MBA プログラムの生徒メンバーとの素晴らしい出会いがあります。
教授陣はKelloggとHKUSTからバランスよく構成されています。もちろん、ケロッグの一流の教授陣が香港まで来てくれます。また、Kelloggの教授陣と勝るとも劣らない、アジア・ビジネスの経験豊かなHKUSTの素晴らしい教授陣も、私たちの知的好奇心を刺激してくれます。
震災が、挑戦するきっかけに
KHはとても素晴らしいExecutive MBAだと強く思いますし、皆さんにも自信を持ってお勧めします。もっと多くの日本のビジネス・パーソンの方々にKHでの学びを経験して欲しいと思っています。私の所属するKH15 (Class ’13) には、当初2名の日本人しかいませんでした。卒業生を見ても、まだまだ少ないです。
「グローバル化」という言葉が多用されるようになってから、かなりの時が経ちますが、日本も、日本人も、日本企業も、グローバル化が遅れているのではないかと危機感を抱いていました。
グローバル化が遅れるということは、国家の競争力が弱くなり、国民の生活も悪化していくことを意味しています。世界のフィールドを理解し、活躍できる人材を一人でも増やすことが、日本経済の将来にとって大事だと思っています。自分もそんなメンバーに加わりたいと思って、日々精進しています。
私自身、2011年3月11日の震災がなければ、自分にとってこれほど大きな投資・挑戦はしなかったでしょう。職場においても、少し難しいアサインメントに意識的に取り組むことで、挑戦し続けることは可能でしたし、幸いそのような環境を会社から頂いておりました。
ですが、3.11の地震を経験し、大災害をメディアを通して見て、自分は挑戦しても失うものはないのだから、将来の選択肢を自分で広げないと後悔するときが来るかもしれない、と思ったのです。妻の大きな支援もあり、それならば挑戦しようと決断しました。妻の大きな決断には、本当に感謝しています。
これまで、私の人生の岐路で出会い、そしていつも私の甘い考えや心持ちを変えてくれた杉村太郎さんの言葉です。
「死ぬ気でやれよ。死なないから。」
野田征吾さんによるコラムは、次回も続きます。お楽しみに!
著者プロフィール
野田 征吾(のだ せいご)
アストラゼネカ株式会社
コマーシャルエクセレンス本部 ニューチャネル部長
[主な経歴・業績]
立命館大学経営学部卒。Kellogg-HKUST Executive MBA、2013年6月卒業。
住商リース㈱(現三井住友ファイナンス&リース㈱)に入社し、
半導体製造装置のリース・中古売買業務・部門運営等を行う。
2007年にGeneral Electric International Inc.のECLP (Experienced Commercial Leadership Program) に入社。2年間のプログラム終了後、日本GE㈱ GEキャピタル・ジャパンにおいてSFEリーダー、コマーシャル・エクセレンス部長、ストラテジック・マーケティング部長、シンプリフィケーション&グロース部長を歴任。
2013年4月にアストラゼネカ株式会社に移籍し、現職
[関連サイト]
AstraZeneca Global : http://www.astrazeneca.com/
AstraZeneca Japan : http://www.astrazeneca.co.jp/