近代マーケティングの父 フィリップ・コトラー教授の知られざる魅力

グローバル・リーダーの視点
未来に対して「YES」と言える日本―謙虚さ、自信、イノベーションそしてロボットロバート・ウォルコット
ケロッグ経営大学院の改革に学ぶ (4) 長期にわたる改革者ジェイコブス鳥山正博
ケロッグ経営大学院の改革に学ぶ (3) ケロッグスクールは、卒業生・在校生が入学者を選ぶ?鳥山正博
ケロッグ経営大学院の改革に学ぶ (2) ケロッグ校が個人間の競争から脱却した理由鳥山正博
ケロッグ経営大学院の改革に学ぶ (1) 変革リーダー、ドン・ジェイコブスの素顔鳥山正博
未来の楽しみを創造する「アントレ×エンタメ」とは? (5) 取組例「コンテンツ・マーケティング」荻野 浩司
未来の楽しみを創造する「アントレ×エンタメ」とは? (4) 次のステップ7大予測荻野 浩司
未来の楽しみを創造する「アントレ×エンタメ」とは? (3) 究極形の7大予測荻野 浩司
未来の楽しみを創造する「アントレ×エンタメ」とは? (2) なぜエンタメか、何が変わるのか荻野 浩司
未来の楽しみを創造する「アントレ×エンタメ」とは? (1) 時代の変化と生き方荻野 浩司
Kellogg School of Management
ケロッグ経営大学院のご案内
ケロッグ経営大学院について
ケロッグ・クラブ・オブ・ジャパンについて
書籍紹介
掲載メディア紹介

Column グローバル・リーダーの視点

各界の第一線で活躍するグローバル・リーダーが業界の最新情報の提供や、独自の視点で分析、提言するコラム。隔週にて連載しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

第2回:「うれしい」という魔法の言葉が
もたらした希望の曙光

伊藤 武志
株式会社価値共創 代表取締役

私が現在小さな会社を立ち上げ、自分の使命を実践できているのは、ケロッグで学んだ頃のさまざまな体験があとを押してくれているのだと感じている。私はさまざまな混沌と葛藤の中で、「『うれしい』がお金になる、社会の幸せがお金に通じる」ということを事業の軸としてすえるようになった。そのいきさつと思いを語ろうと思う。私は、「うれしい」という言葉で、やっと道が開けたのである。

「うれしい」という言葉

勉強会でのうれしい問い

私を混沌から救ったのは、知人の何気ない一言、「うれしい」という言葉だった。私の使命が「うれしい」を作ることだと気付かされた瞬間だった。

ある日、知人が「お会いできてうれしいです」と言った。ごく一般的で、何気ないよくある言葉だ。しかし、自分の夢が形にならずもがいていた私に一筋の光が照らされた気がした。

その言葉は単純で、素直で、他意のない素朴な言葉なのに、素敵な魔法を相手に投げかける。「うれしいです」という言葉を発すると、自分の喜びを相手に伝えるだけでなく、その喜びを相手へ感染させるすごい力が備わっていると感じたのだ。

実は誰もが、「うれしい」と言って欲しくて生きているのではないだろうか。相手から「うれしい」を引き出すことが出来れば、自分も「うれしい」気持ちになる。実はビジネスの原点もこれなのではないだろうか。

例えば、

 一生懸命試行錯誤して、はじめてモノが売れたとき。

 お客さまが自分を「あなただからお願いするんだ」と言ってくれたくれたとき。

 大クレームに対して最善の努力をやり切ったあと、お客さんが最後に
 「がんばってくれたね。」とお礼を言ってくれたとき。

 自分がつくったモノが店頭に並んでいるのを見たとき。

 メンバー全員で一致団結してプロジェクトを達成したとき。

 いつも厳しい上司が「頑張ったな」といってくれたとき。

 挨拶をしたときに返してくれた同僚の笑顔を見たとき。

主催勉強会でのうれしい応え

ビジネスといえばいかにして金を稼ぐかに焦点が当たりがちだが、実は本当に人を動かす力があるのは、この心のやりとりなのではないだろうか。

そしてこの心のやりとりが人から人へ伝染し、社会全体を動かす原動力となるのではないだろうか。それは私がずっと思い悩んでいたことの答え、すなわち下降する経済と混沌とした社会の中で、どうすれば人が幸福に向かうベクトルを手に入れられるかの答えなのではないか。

先人から受け継いだ心や技術を未来へつなぐ

主催の勉強会で話す

戦後の繁栄期以来、ずっと私たちは豊かさを求めてきた。そうして、有史以来もっとも物質的に豊かな社会を造り上げた。これ以上の物質的豊かさは実現できないレベルまで来てしまったようにさえ感じられる。

しかし、今後、人口減少が加速する中、以前のような右肩上がりの経済成長は期待できない。海外の競争相手は巨大な市場やリーダーシップを背景にいよいよ強力になってきている。他国の技術や商品を模倣することによって市場を獲得することもできない。

しかし、日本の先人たちは、明治維新と戦後というゼロからの出発をして、今の豊かな社会をつくり上げてきた。私の好きなアリストテレス、アダム・スミス、二宮尊徳や渋沢栄一だけでなく有名無名に関わらず、世界にも日本にも素晴らしい先人たちがいて、昔では考えられない夢のような今の時代を実現してくれた。過去の積み重ねの上に今、そして将来がある。

この「うれしい」の連鎖は、過去から脈々と受け継がれ蓄積されている。私たちはそのバトンをつながなければならない。歴史に敬意を表し、先人の経験の蓄積を受け継ぎながら、私たちはその先の素晴らしい未来へつなぐことができるはずなのだ。

深い歴史の声を聞きながら、自分の与えられた使命にやっとたどり着いた。

著者プロフィール
伊藤武志

伊藤武志
株式会社価値共創 代表取締役
1994年ケロッグ卒業

[主な経歴・業績]
銀行での経験のあと、コンサルティング会社を経営し、
15年間、戦略立案、経営管理、組織開発、人財育成の業務・研究に携わる。
共に、この瞬間を生きていることに感謝し、幸せに思いつつ、
勇気を持ち、助け合いながら、現実を直視し、夢を描き、
あきらめずに行動し、生まれた価値を分かち合うこと、
そして魅力的な人々のあふれる魅力的な組織・社会を創り、
一人あたりの名目と実質のGDP、給料と幸せを増やしていくための
うれしい経営を実践し広げることを大切に思っています。

一般社団法人企業研究会 戦略スタッフ研究フォーラム 研究協力委員
車座の会 主宰

[主な著書]
著書として、
『実務入門事業計画書のつくり方』(共著)
『図解でわかるソリューション営業』(共著)
『バランスト・スコアカードによる戦略マネジメント』
『図解でわかる技術マーケティング』(共著)
翻訳書として、
コーキンス著『実践ABCマネジメント』
アンダーソン/ジョンソン著『システムシンキング』
ハチェンス著『エミーとレニー 2匹のねずみのお話』
ドーン・イアコブッチ他著『マーケティング戦略論』(共訳)
ロビネッティ/レンツ/ブランド著『エモーションマーケティング』(共訳)
ウルリヒ/カー/アシュケナス著『GE式ワークアウト』(共訳)
マクグラス著『プロダクトストラテジー』(共訳)
ウルリヒ・ブロックバンク著『人事が生み出す会社の価値』(共訳)
キャプラン/ノートン著『バランスト・スコアカードによる戦略実行のプレミアム』(共訳)
がある。

[関連サイト]
株式会社価値共創 ウェブサイト http://www.valuecocreation.co.jp
伊藤 武志 フェイスブック http://www.facebook.com/itotakechan

Comments