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倉田進

映画「最高の人生の見つけ方」に見る“The Bucket List”

倉田 進
クラタ アンド アソシエーツ日本代表 / 日本AMS(株)代表取締役社長
私は、大学卒業後の商社勤務を経て、外資系トップマネジメントとして、グローバル・ビジネスの一線を走り続けてきました。子供も独立し、現在は、アメリカと日本の両国に住み、国際ビジネスの傍ら、主に団塊の世代の方向けに新しいライフマネジメントのあり方をお伝えしています。
成功するビジネスに戦略があるように、人生にも戦略があるべきです。私は、世界の仲間と仕事をする中で、いかに世間に流されず、自分らしい形で、QOL(Quality of Life)を高められるかを模索してきました。
長寿社会、グローバル社会において、リーダーとして活躍されている皆様に、人生においても成功していただける人生学を、連載でお伝えいたします。

人生戦略において重要な“The Bucket List”

2008年、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演のハートフル・ストーリ、『最高の人生の見つけ方』が上演されました。私も大好きな映画で、大変ヒット致しました。

しかし、この英語の原題が、「The Bucket List」(直訳:「棺桶リスト」)だと知っておられた方は少ないのではないでしょうか。The Bucket Listとは、「自分が人生を終える前に、やりたい事、見たい事、体験した事」を意味します。特に若い方にはピンとこないでしょう。しかし人生を幸福に、豊かに成功させたいなら、まず、エンドポイントである“死”を意識する事が非常に重要です。

先日、アメリカの友人から、興味ある、しかし深刻な記事が送られてきました。それは病気等で死に直面した時に、多くの患者が後悔するトップ5リストです。多くの方は、死を予告されて初めて、「本当にやりたかった事」が見えてくるようです。今回は、その「後悔するトップ5」を1つ1つ紹介しながら、私の考えをお伝えしたいと思います。

リスト その1-自分に正直な人生を送りたかった

これは、世間が自分に期待している人生ではなく、自分自身の望んだ人生を送りたかったという意味です。死に直面する時、ほとんどの方が、自分の夢の実現に至らなかった人生を悔やんでいます。

また、リーダーシップについて興味深い研究結果が出ています。それは、自分が何者で何がしたいのかが明確であり、自分に自信を持ってコミュニケーションすれば、人々はその人についていくというものです。自らに正直な人生とは、充実感だけでなく、周りの人にも良い影響力、リーダーシップを発揮できるという事です。

リスト その2-私はあまりにも(会社の)仕事ばかりしすぎた

これは多くの読者の方には異論があるかと思います。なぜなら、あまりにも多くの方が、働いて何が悪いのか、いやもっと仕事を真剣にやるべきだと考えているからです。

実はこの後悔は、家庭での稼ぎ手であった男性に多くみられます。しかし、人生の終焉が見えてきたときに嘆く彼らの本音は、余りにも出世競争に明け暮れ、昇進のトレッドミルを走り続けることに時間を使いすぎた、といった事でした。もっと自分のライフスタイルをシンプルにして、自分の生活に自由なスペースを作り、もっと幸せになる生活、新しい機会、新しいライフスタイルがあったのではとの後悔です。

生産性の向上の考えは、ヘンリーフォード時代の古典的な組み立てラインを超えて、現代では、もっとハイレベルな、つまり全人的な問題として問われていると考えます。

リスト その3-もっと自分の考え、感情を表現する勇気があったら良かった

自分を正直に表現した結果、まわりの人は驚き、批判を受けるかもしれません。その結果、自分の本分をしっかりと理解してもらえて、より良好な関係になるかもしれないのです。

ストレート・トーク(言いたいことを最短距離ではっきりと表現する事)は、例えばジャック・ウエルチのような会社のトップであるとか、権力者にだけが許されている特権であると考えている人がいるかもしれませんが、それは違います。むしろ、逆説的な言い方をすると、ストレート・トークできる正直な人だからリーダーになったのだと考えます。

もし自分の意見を正直に言わない人がたまたま会社組織のトップになった例が皆さんの周りであったとしたら、その組織はいずれ失敗するでしょう。最近起こったO社の財政不正事件を見てもあきらかです。

ストレート・トークは、健全な組織運営に欠かせませんし、自分の人生にはそれがもっと必要です。

リスト その4-もっと友人と交流すべきであった

真の友、長年の友人ほど貴重な存在はありません。ビジネスで多忙な時代、友人との交流は後回しになりがちであります。

病床に友に見舞ってもらうのではなく、健康な時に、真の友人と、悔いのない交流をすべきであります。

リスト その5-もっと幸せになるべきだった

驚くべきことに、多くの人は“幸福”は“選択”できる事であることを理解していません。そう、人生は選択の連続であり、決断し、実行すれば、誰もが幸せになれるのです。陋習、悪習をやめて、自分を改善しようとしない人が多くいます。このような人々は、変化を嫌い、幸せの選択行動をとらないのです。

繰り返しですが、“人生は選択”です。“あなた”の人生です。自らの成功を定義し、意識して、賢明な選択をしましょう。それが、幸福を選択する、という事です。

著者プロフィール

倉田 進
クラタ アンド アソシエーツ日本代表/ 日本AMS株式会社代表取締役社長

[主な経歴・業績]
30年以上のグローバル・ヘルスケアのトップマネジメントの経験を踏まえ、東京、フロリダを拠点に国際ビジネスコンサルタント事業を展開。おもに、ヘルスケア、ゴルフ関連事業のコンサルタント、そして、退職世代の新しいライフスタイルの研究、新定年学のすすめの啓発活動を推進。日本AMS株式会社では、日本の高齢化社会のニーズに合った泌尿関連機器の日本事業を展開している。早稲田大学卒業。ケロッグ経営大学院修了(MBA)。ハーバードビジネススクールにてエグゼクティブプログラム終了(EMP)。
在日米国商工会議所(ACCJ)会員、医療機器委員会元副会長(1999-2006)、経済同友会会員、同友クラブ理事、アメリカ退職者協会(AARP)会員、米国ゴルフ協会(NGF)会員、日本抗加齢医学会会員他、東京アメリカンクラブ、早稲田二十日会等のメンバー。

[関連サイト]
日本AMS株式会社
http://www.amsjapaninc.co.jp/

[書籍案内]
「フロリダ退屈日記 団塊定年、人生はこれからだ!」
出版社:日経BP
初版発行日:2011年10月11日
倉田進(class of 1989)著
日本AMS(株)代表取締役社長
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/K03730.html

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