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各界の第一線で活躍するグローバル・リーダーが業界の最新情報の提供や、独自の視点で分析、提言するコラム。
隔週にて連載しています。

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第3回
Global Company ; GEでの挑戦

野田 征吾
アストラゼネカ株式会社 コマーシャルエクセレンス本部 ニューチャネル部長

2007年7月にGEに入社してからは、成長の機会の連続でした。難易度が高すぎるのではないか? 役割に対しストレス負荷が多すぎるのではないか?と思うことは何度もありました。その時々に、第2回目のコラムで書いたように、「集中力」X「インプット時間」=「アウトプット」を意識しながら、「この数日を乗り切れば成長できる」と信じ、
結果を出すことにフォーカスしてきました

はじめてのグローバル・カンファレンス

米国クロトンビル – GEリーダーシップ・ラーニングセンターにて

英語力の弱さを痛感することは数え切れない程ありました。今振り返っても、非常に辛い思い出があります。それは、GEに入社後まもなく、アメリカ コネチカット州で行われた3週間のグローバル・トレーニングでした。

私は、ECLPという、2年間の営業・マーケティングの幹部養成プログラムに参加しました。その同期Class-09 (MBAと同様の呼び方です) は、約130名でしたが、日本人6名と中国人約10名を除く、約115名がMBAホルダーで、世界の教育基準の違いを垣間見た瞬間でした。

住商リースで働いていたときは、ビジネス上の利害関係があったため、外国人顧客は拙い英語を話す日本人と商談をしてくれていました。ですが、利害関係のない同期とのグループワークやケーススタディは、自分自身の英語力、知識のなさを痛感させられることの連続だったのです。

追い討ちをかけてきたのは、休憩時間や食事のときの取り留めのない会話。これが本当に辛かったです。

聞き取り能力が低い、単語の記憶量が足りない、伝える力が足りない、そして日本に関連すること以外の話題の引き出しがあまりにも足りない。これらのことが原因で会話が盛り上がらず、少しずつ行動が消極的になり、ストレスが溜まっていった日々のことをよく覚えています。

最初の3週間を乗り越えても、半年に一度、このような1-2週間のグローバル・トレーニングが、2年続きました。最初のカンファレンスから比べれば、プログラムを卒業するときは、少しは成長していたと思います。

しかし、今振り返ると、グローバル人材からは程遠い、まだまだお話にならないレベルだったと思います。

グローバル・カンファレンスで衝撃だったことは幾つかありますが、ジェフ・イメルトCEOについてはとりわけ印象的でした。常にグローバルに移動して多忙だということは知っていましたが、そのイメルトCEOは、私たちのトレーニング会場へ、ヘリコプターで到着し、講演してくれたのです。映画のワンシーンのようで、グローバル・カンパニーのCEOは「スケールが大きい」と率直に思った瞬間でした。

また、このグローバル・カンファレンスは、私にとって馴染みのなかったMBAという世界を、肌で感じる最初の機会でもありました。ですがそのときは、自分が巨額の投資をしてまで、MBAに行くことは全く考えていませんでした

外国人の上司は、長身のアメリカ人

米国エバンストンにあるケロッグのEMBA施設-Allen Center

リーダーシップ・プログラムの最後6ヶ月間、GEキャピタル・アジア・パシフィックのマーケティング本部で業務をするチャンスを得ました。初めて外国人の上司の下で働く機会でした。

帰国子女でもなく、駐在経験もなかったため、海外での業務のチャンスを狙っていました。残念ながら、リーマン・ショック後の金融危機の影響で、東京での勤務となりましたが、環境の異なるアジア・パシフィック本部で働く道を掴み取りました。

日本人中心の組織で働いていれば、ビジネス自体を理解し、とるべきアクションを理解し、人脈も構築し、結果を出しやすい環境は整えることができていました。

ですが、GEのECLPの道を歩むと決めたときに、「スピードをもって自分を成長させ、挑戦できるグローバル環境で働く」場所を求めていましたので、もっとグローバル環境で働けるようになりたいと思い、リスク覚悟で日本人以外の上司の下で、どれだけパフォーマンスを出せるのか挑戦することにしました。

アジア・パシフィック本部のフロアは、雰囲気も異なり、働く人たちも多様化しており、最初はとまどいの連続でした。

上司は長身のアメリカ人で、アジア・パシフィックにおけるECLPのビッグ・スポンサーでした。

最初のミーティングで彼に言われたのは、

「俺はおまえのベビーシッターではない。自分で考え行動をするんだ。まず、中期経営計画を策定する準備をしてくれ。いざ計画を作る段階では、データ収集の時間がないので、事前にやっておくように。」

という指示でした。

日本の中期経営計画策定に関わった経験があったので、日本市場のデーター取得する方法については把握していました。しかし、アジア・パシフィックについて必要なデータをどのように集めたらいいのか、その取得方法については当初想像すらできませんでした。

このとき、ECLPの同期や、アジアでのマーケティング経験のある方など、様々な方々が私を助けてくれたのです。

これまで培ってきた社内の人脈が非常に役立ったときであり、また人に助けを求めることの大切さを再認識した瞬間でした。

これまでの社会人生活は、「仕事は見て盗め」という教えのもと過ごしてきました。つまり、人にお願いをするのではなく、先人が残したものを見ながら学ぶべきというような意識を強く持っておりました。しかし、それでは成長するのに限界がある。むしろ、チームメンバーや他の方々の助けを得ながら物事に取り組むことで、大きな成果につなげられる。そして、周りの方々に感謝し、伝えることで、より力強いネットワークが構築できる、と実務を持って学ぶことができました。

今振り返ると、この経験は、チームワークを重視するKelloggの考え方に通じるものがあったと感じています。

 

野田征吾さんによるコラムは、次回も続きます。お楽しみに!

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著者プロフィール

 

野田征吾

 

野田 征吾(のだ せいご)

アストラゼネカ株式会社
コマーシャルエクセレンス本部 ニューチャネル部長

[主な経歴・業績]
立命館大学経営学部卒。Kellogg-HKUST Executive MBA、2013年6月卒業。
住商リース㈱(現三井住友ファイナンス&リース㈱)に入社し、
半導体製造装置のリース・中古売買業務・部門運営等を行う。
2007年にGeneral Electric International Inc.のECLP (Experienced Commercial Leadership Program) に入社。2年間のプログラム終了後、日本GE㈱ GEキャピタル・ジャパンにおいてSFEリーダー、コマーシャル・エクセレンス部長、ストラテジック・マーケティング部長、シンプリフィケーション&グロース部長を歴任。
2013年4月にアストラゼネカ株式会社に移籍し、現職

[関連サイト]
AstraZeneca Global : http://www.astrazeneca.com/
AstraZeneca Japan : http://www.astrazeneca.co.jp/

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