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鈴木慶太

社会起業に必要な要素

鈴木慶太
(株)Kaien 代表取締役
「社会起業家になりたい」という人と接していて思う事、それは「他人や社会のためになりたい」という素敵な夢を持つ人が多いことだ。ただ、それ自体は美しいが、聞いていて違和感がある時も残念ながら多い。先月、社会起業家の草分け的存在であるジョン・ウッド氏と一緒に登壇させていただき、「本物」と会話する中でその違和感を再確認できた気がする。

“Take Action”~ ルーム・トゥ・リード創設者ジョン・ウッドの言葉

僕が経営する会社は、発達障害の人の就労支援をすることがメイン。なので「社会起業家」とか「社会的企業」とか呼ばれる。「社会起業」の要件とされる「営利を目指さない組織」ではなく通常の株式会社だったり、「行政や法律にインパクトを与える」という目的がなかったりするので、厳密な意味としては社会起業ではないとは思っているが、たしかに社会起業家っぽい感じだと思う。

一方、ジョンはルーム・トゥ・リード創設者。ケロッグ卒業生でもあり、「社会起業家」の草分け的存在でもある。ご存じの方が多いと思うが、念のためルーム・トゥ・リードを簡単にご紹介すると、2000年に設立された米国のNGO。途上国に本を寄贈したり、現地語で児童書の出版を行ったり、奨学金を提供したり、学校の先生を教育したりしている。日本でも(制度上税額控除が未だ受けられないにもかかわらず)億単位の寄付を集めており、年に複数回訪問しているという。国際的に強い組織と影響力を持つ組織だ。

ジョンから感じる印象は営業マンのそれに近い。実際にジョンはルーム・トゥ・リードを立ち上げる前、マイクロソフトの世界各地のオフィスで企画・営業として活躍していた。組織の目的は違うが、内部のオペレーションはマイクロソフトやケロッグで学んだままなのであろう。大きな目標を書いて、考えると同時にアクションを起こす。とにかく動くことの重要性を繰り返していた。

自分の自立が、最初の社会貢献

 

もう一つジョンから感じたのが、自分をどう保つかということである。社会の課題に向きあうとなると、そもそも扱う事象が心痛むものが多い。喜びを感じにくい。例えばディズニーで働けばいつも夢を与えられる楽しい題材を扱えるかもしれない。一方、社会起業だと貧困や教育水準の低さ、死亡率の高さに日々囲まれることになる。自分を強く持たないとやっていけない。

自分を強く持つこと。もう少し具体的に言うと、社会起業家であり続けるには、経済的、思想的、そして精神的に自立した人間であることが何よりも重要になってくるということである。ジョンの場合は10年以上この世界で続けている。その間、経済的なプレッシャーは常にあると思うし、自分たちの活動がどういった意味を持っているか、さらに改善すべき事はないかなど思想的にもぶれず進む気概が必要だと思うし、そういったプレッシャーが当然メンタルの面にも影響してくると思う。それらを上手にバランスを取ることが重要になってくる。

社会起業というと、自分が自立するために人を助ける、つまり人を助けるという事実を感じることによって、自分が生きる意味を見出す人が多い気がする。しかし、ほんとうの意味で人を助けるには、自分がまずきちんと自立することが必要な要素になるのだと改めて感じた機会だった。

※僕のコラム、4回シリーズが今回で終了です。お読みいただきどうもありがとうございました。

著者プロフィール

鈴木 慶太
(株) Kaien 代表取締役

[主な経歴・業績]
2000年、東京大学経済学部卒。NHKアナウンサーとして報道・制作を担当。’07年からKellogg (ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院)留学。MBA。渡米中、長男の診断を機に発達障害の能力を活かしたビジネスモデルを研究。帰国後Kaienを 創業。今年(’12年)にダイヤモンド社から「発達障害の子をもった私が起業家になったわけ ~弱みを強みに変える全米№1のビジネスプラン~」を出版予定。

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